教材研究 高校数学

自分の数学観を高める

自分の抱えるモヤモヤ1

 中学高校と部活三昧で高校も部活が強いという理由で自分の学力層から2ランクほど下の学校に進学した。授業はほとんど聞いていなくとも成績はほぼトップという生活で学習習慣はほとんど身についていなかった。受験の一年は人並みに学習し地元の教育大学へ進学した。この受験でも苦労はせず、トップで入学した。一応自分の受験の目標として、親に私立理系大学のトップを受験させてもらった。結果として、合格したが、家庭の状況もあり進学する気はなかった。名が通っている大学にも合格ができ、また自分はできるという勘違いをしてしまっていた。

 なので、正直勉強で挫折したこと、困ったことはそれまではあまりなかった。とりわけ数学は一度聞けばわかるもっと言えば聞かなくてもわかる状態であったため、ろくに参考書や解説を読んだこともなく大学生になったのである。

 しかし、大学に入り中学受験した中学生を指導する機会があった。これが自分の学習観を大きく変えた。世の中には本当に賢い人がいる。目の前にいる生徒は、明らかに自分より賢いのにその子がその学校では勉強ができないと悩んでいる。そのことに気がついたとき、自分の失った6年間でいかに自分が勉強してなかったかといかに井の中の蛙だったのかを知らされたのである。そのときに、本気で数学を勉強しようと思った。

 それから、時間が有れば勉強をするようになった。だがその勉強も問題を解いて解きっぱなし。ろくに解説を読み込もうとしない解答があっていればそれでよしというお粗末なものであった。その時は、数学を答えがあっていれば良いという浅い考えで勉強をしていたのである。だから、成長しなかったのだと思う。そんな浅い勉強をしながら、教育実習を迎えたのである。