教材研究 高校数学

自分の数学観を高める

要点をおさえる発問

  1単位時間の授業の中で新規事項を説明し、演習時間を確保することが現在の授業のスタイルである。働き始めてわかることは説明は短く簡潔にということが非常に大切なことであるということである。生徒の思考を促し、要点を理解できるようにするためには、説明が必要なのではない。

  結局、生徒を教員が山の上までおんぶをして連れて行っても、何となくの道順しか理解できず、もう一度登る体力は身についていない。教員は生徒へ近い目的地を示し続け、山を登るまで目的地を誘導し続けるしかないのである。短い説明と、その内容の要点を掴む発問。そして、要点の理解を確認する演習この三点を巧く使うことが授業の核にある。

  その発問を作成するために、生徒が過去の学習経験の中でなにを学んできているか、この授業でなにを伝えたいか、その二つの間にはなにが足りないのか。まずは、教員がこの三点をおさえる必要がある。ここで初めて、教材として、生徒が考えやすい発問や適した活動を考える必要があるのである。正直発問は生徒の様子から、直前に変わることはままある。しかし、なにを伝えたいのか、生徒の学習経験はなんなのかは、授業中に変わることはない。発問を考える中で生徒の状況を確認し、なにを伝えるのかを整理していることが発問よりも大切なことなのである。