教材研究 高校数学

自分の数学観を高める

数学なんか必要ない

 生徒は数学がわからない状態が続くと、数学なんて必要ないという発言をすることがある。この発言をする多くの生徒は「数学がわかりません」という意味と同義の意味でこの言葉を発することがしばしばである。もちろんその発言の背景になにを考えているかを探りながら、数学を学習することの意義を伝えるのである。しかし、この言葉「数学なんて必要ない」が出てきていることに指導者は危機感を持たなければならない。数学も高校の内容になると、日常生活から離れ、抽象的な問題や内容に焦点が当たる面はあり、今なにやっているのかは生徒にはわかりづらいのも事実としてある。しかし、指導者はこの内容をなぜ授業の中で取り上げるのか、この数学的事象を考えることがなぜ必要なのかを一つ一つの授業で明確にし、それを生徒と共有する必要がある。そのことが十分に行えていない状況が生徒のこの「数学なんて必要ない」という言葉から窺い知れるのである。一つ一つの授業を繋げて連続性のある授業を作っていかなければならない。